2019年度の健食通販市場 市場規模は5427億円で35増 上位7社の売上1位はサントリーウエルネス
2017年度の通販健康食品市場は、前年度比3.6%増の5,040億円となった。同市場は、この10年間で約1.4倍に拡大している。
本紙はこのほど「第14回無店舗販売実施企業健康食品売上高調査」を実施、集計をランキングとしてまとめた。サントリーウエルネスは10年連続で1位となった。上位50社の合計売上高は、7417億6700万円で、前回調査(17年3月実施)の上位50社合計を16億7900万円上回った。
通販の健康食品市場の市場規模は、前回調査比0.2%成長でほぼ横ばいとなった。一方、訪販は3.4%のマイナス成長となった。
2019年の健康食品市場は前年比0.2%減の1兆2,455億円。前年との差は20億円だった。全体で見れば微減だが、チャネル別の様相は異なる。伸長する通販と苦戦が続く訪販の差は、17年が約650億円、18年が970億円、19年が約1,180億円と年々拡大している。もち麦などのブームで1,000億円市場が見えていた食系チャネルは消費の冷え込みが直撃し、足踏み。消費者に身近な存在として最も高い伸び率となった薬系チャネルは、DgS各社が工夫を凝らした戦略で集客に成功、2,500億円市場が見えてきた。特保市場は前年比1.5%減の6,400億円。健康食品+特保の市場規模は1兆8,855億円で、前年比は0.6%減となる。
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他社との差別化とコンプライアンスの遵守の両立が、成長する健康食品市場で生き残る上で必要条件と言えそうだ。記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。
健康食品の通販市場は前年比1.1%増の5,128億円。伸び率は前年の3.5%増から鈍化した。市場では、楽天やAmazonなど大手モール系企業が牽引する動きが継続。テレビ通販も好調だ。一方で歴史のある中堅通販では苦戦する企業もある。日本通信販売協会のまとめでは、衣料品や化粧品などを含む18年度の通販市場規模は前年比8.3%増の8 兆1,800億円。20年連続の増加で、直近10年の平均成長率は7.1%となっている。
会員の高齢化や、特定商取引法など規制強化が影響を及ぼした。こうした中、米国で人気のカンナビジオール(CBD)を活用し、外資系MLM企業が続々と日本市場に参入。CBDは米国での規制強化など気になる動きもあるが、今後のMLM市場で期待の星となっている。縮小が続く配置薬チャネルの健食市場規模は409億円(同2.6%減)。宣伝講習販売チャネルは306億円(同1.3%減)となった。
このほか最近注目されているのが、植物由来の「プラントベース」。“植物オンリー”ではなく、ライフスタイルに応じて植物由来を選択するニーズに対応する。米国ではすでにムーブメントになっており、2020年注目トレンドの1 つになっている。
他社との差別化とコンプライアンスの遵守の両立が、成長する健康食品市場で生き残る上で必要条件と言えそうだ。
カルシウム、グルコサミン、コンドロイチンなどを主成分として、骨の形成や関節痛対策を訴求する商品を対象とする。2013年は競合が激化したことでシェア上位の中でも伸び悩む企業が見られたが、2012年8月に新規参入したキューサイがTV通販で「グルコサミンZ」の販促を積極的に行ったことで新規需要を取り込み大幅増となり、市場は2012年比6.0%増となった。2014年はさらに競合が激しくなり、シェア上位の企業の中には他カテゴリーの商品に注力する企業もでてきており、市場は前年を上回るものの、伸びは小幅にとどまると見込まれる。
薬系チャネルの健食市場規模は前年4.1%増の2,447億円。中国E C 法によるまとめ買いの減少や自然災害による影響を受けたが、各社の来店頻度を高める取り組みが奏功した。商材では青汁やビタミン・ミネラルなどの定番系に加えて、プロテインも売れ筋となった。
市場規模は横ばい、もしくはマイナス成長だったが、機能性表示食品制度が定着してきたことや、東京五輪に向けて健康志向の意識が高まってきていることなどは、今後、市場の成長をけん引する要素として機能する可能性がある。
ケールや大麦若葉などの素材からなる青汁、クロレラ、スピルリナなど、緑色で複数の栄養成分の補給やバランス維持を目的とした成分を配合した商品を対象とする。2013年はサントリーウエルネスや世田谷自然食品などの通販企業が販促を強化したことで青汁が好調だったことから、市場は続伸となった。2014年もこれら通販企業の注力度は高く、広告宣伝を積極的に行ったことから市場はプラスが見込まれる。また、ユーグレナが展開するミドリムシを配合した健康食品が成分の認知拡大によって実績を伸ばしていることも、市場拡大の要因となっている。
一方で、通販では、定期購入における総額表示の規制が導入されたり、景表法に基づく規制が厳しくなったりしている。訪販でも特商法による大型処分が相次ぐなど、市場の成長には暗雲が立ち込めているとの見方もある。
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