猫の老化を早めるかもしれない飼い主の行動 獣医師が注意点を解説 ねこのきもち
この表は大まかな指針にはなりますが、実際には症状の出る順番、猫の性格(薬を飲めるか、療法食を食べるかなど)などを考慮して治療内容を調整しなくてはいけません。
私の専門は、あまり聞いたことがないかもしれませんが、動物の心療内科、あるいは動物の精神科の分野です。しかし私たちの分野では、精神科と言わずに、獣医行動学、という名前で自分たちのフィールドをよんでいます。
腎臓という臓器は一度機能を失うと回復することがありません。そのため、治療目標は進行を遅らせることと猫の気分を楽にしてあげることがメインになります。
慢性腎臓病の猫の20%は高血圧症になっているという報告があります。高血圧症はたんぱく尿を引き起こし、たんぱく尿は腎臓病の悪化につながります。また腎臓病を悪化させるだけでなく、心臓負荷、視力低下、頭痛などの症状を示し生活の質を低下させます。
現在我が家には2か月齢の子猫の男の子が3匹います。友人のおうちの庭の室外機の下に野良猫のお母さんが生んで、置いておいたらしいのですが、お母さん猫が何等かの都合で帰ってこなくなり、3-4週齢で友人により助けられた子たちです。実は2-3か月齢までの子犬や子猫の時期は人同様とても大切な時期になります。「三つ子の魂100まで」の言い伝えがありますが、犬猫も生まれて最初の2カ月間は母動物、兄弟、そして周りにいる人や環境に慣れていき、お互いにコミュニケーションの方法を学び、社会化を身に着けていきます。現在その大切な成長を遂げている子猫たち3匹が自宅にいますが、彼らの成長は毎日見ていて面白く、1日1日新しい行動ができるようになって、どんどん新しいことを学んでいることが見て取れます。兄弟同士の遊びから猫同士のコミュニケーション方法を学んだので、ぼちぼち人間家族のもとにそれぞれ旅立つときかなと思っています。子犬子猫時代に仲間同士と遊ぶ機会がなくてコミュニケーションを学びあったり、周りの環境に慣れることができないような環境、例えば狭いケージの中にずっといるような環境に育つと、大人になっても心にその傷が残ることが分かっています。
IRIS(International Renal Interest Society)という団体が猫の腎臓病のステージ分類表を提唱しています。最新のIRIS分類ではクレアチニンとSDMAをもとに4つのステージに分けられます。
低カリウム血症は20〜30%の猫でみられるという報告があります。低カリウム血症もやはり腎臓病の進行と、筋炎を起こし痛みがあります。典型的な低カリウム血症の猫の姿勢は「首が上がらず下を向く」です。具体的にはフィトケア(カリウ補助剤)、点滴へのカリウム添加などでカリウムを補正します。
1枚の画像で猫の腹部全体を写すことができます。腎臓のサイズだけでなく他の臓器との位置関係がわかります。尿管に結石がみつかることもあります。
飼い猫のミトンが安楽死させられたとき、私はそこにいてやる勇気はありませんでした。夫はミトンを獣医師に渡し、後は彼に任せるよう勧めました。その通りにしたとき、獣医師は私と話す時間も取ってくれませんでした。スタッフが私の猫を受け取り、そのまま奥の部屋に消えてしまったんです。それ以来、あの子を見たこともありませんし、その獣医師からも何の連絡もありません。もし今くらいの知識があったら、あんな風にミトンを死なせたりはしませんでした。あの子にしてみれば怖かったでしょうし、私に見捨てられたと思ったことでしょう。あの件に関しては、自分を一生許すことができません。
獣医学でも、人間並みに、せめて透析治療が一般的になるようになることを望みます。
よく聞かれる質問ですが、はっきりした理由は分かっていません。猫の祖先は砂漠で生きていたため、水分を温存するために少量の濃縮した尿を作れるように進化しました。濃縮された尿を作る過程で腎臓のネフロン(腎臓はネフロンと呼ばれる構造が沢山集まってできている)が摩耗していくのではないかと考えられています。
予後とは今後の病状についての見通しで、進行具合や生存率を示します。患猫を腎臓病と診断した時、あとどれくらい生きられるのか、どう進行していくのかを話すことは獣医師側も辛いです。3つの報告があります。
15歳の♀猫のことです。
自分で栄養を取らない場合は、胃カテーテルや鼻カテーテルなどを設置し、そこから栄養や水分を摂取させる方法です。設置には手術が必要なこともあり、また猫が自分で引き抜いてしまうこともあるので、かかりつけの獣医師からよく説明を受けて判断してください。
皮膚をつまんで皮膚の形が戻る時間で脱水を評価する試験(ツルゴール試験:皮膚が戻るのに2秒以上かかる時は脱水を示唆)が有名ですが、実際にはかなり重度にならないとわかりません。かかりつけの獣医師に確認してもらいましょう。
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