伊藤詩織×石川優実対談 森前会長の「わきまえる」発言が映し出す日本社会の「気持ち悪さ」〈AERA〉(AERA dot.)

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伊藤詩織×石川優実対談 森前会長の「わきまえる」発言が映し出す日本社会の「気持ち悪さ」〈AERA〉(AERA dot.)
[MARKOVE] 東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長だった森喜朗氏が、女性蔑視発言をきっかけに辞任した。これによって日本の女性差別問題に変化は生まれるのか。AERA 2021年3月1日号では、ジャーナリストの伊[/MARKOVE]
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伊藤詩織石川優実対談 森前会長の わきまえる

地裁は、伊藤さんが当時、強度の深酔い状態にあり、自らの意思でホテルには行っていないとした。さらに、その日のうちに産婦人科を受診し、数日後には友人や警察に相談していることを挙げ、合意のない性行為だったと認めた。

2015年4月に当時TBSワシントン支局長だった山口敬之さんが、伊藤詩織さんという女性に対して準強姦を行った、というのが事件概要。

『足をどかしてくれませんか。——メディアは女たちの声を届けているか』(林香里編、亜紀書房刊)を読んだ。踏み続けているその足をどけてくれということだが、日本の社会に空気のように当たり前に存在する女性差別、女性に対するバッシング、そして、そのことに抗議し、変えようとしている生き生きとしたさまざまな動きが書かれている。読みながら、ため息をつきたくなることと元気が出ることの両方である。女性差別の深さとそれに抗して変えようと発言し、発信し、動いているさまざまな新しい動きのすばらしさの両方を、浴びるように読むことができる。とくに印象に残ったのは、「ネットミソジニー——行き場のない憎しみが女性たちに向かっている」「『殻』を破ろうとする韓国の女性たち——消される『声』に抗して」などの章である。ミソジニーとは女性嫌悪のことである。男性たちも叩かれるが、それが女性だとさらに叩かれる。とりわけ若い女性だと「何もわからないくせにガタガタ言うな」的な上から目線のバッシングがひどい。伊藤詩織さんは自ら受けた性暴力について民事裁判を提訴し、二〇一九年一二月一八日、東京地方裁判所で同意がなかったとして損害賠償請求が認められた。相手は控訴したが、一審判決の勝訴はほんとうによかった。どれだけ被害者ががんばらなくてはならないか。伊藤詩織さんが性暴力について記者会見を行ったあと、伊藤さんに対するネットも含めたすざまじいバッシングが起きた。彼女は日本に住むことが困難になり、イギリスに住んでいた。「クートゥー」運動を始めた石川優実さんがいる。彼女は二〇一九年一月二四日にツイッターにこう書いた。「私はいつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたいと思っているの。専門の時ホテルに泊まり込みで一ヶ月バイトしたのだけどパンプスで足がもうダメで、専門もやめた。なんで足怪我しながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこぐつなのに。」このことが多くの女性たちの共感を呼んだ。と同時に「そんなことを言うなんて」というバッシングも起きたのである。国会でも、女性に対するパンプスの強要は雇用機会均等法の趣旨に反すると厚生労働大臣が答弁。フォーマルでは女性はパンプスを履いて当たり前というのが変わったのである。ハラスメント指針を広報するパンフレットにも書くと厚生労働省は答弁。石川優実さんと一緒に厚生労働省と書きぶりを話し合った。一人の女性が声を上げて、そうなんだ、言っていいのだと広がった。共感が広がった。そして、バッシングも非常に受けたのである。それに石川さんは反論。頭が下がる。「男を敵にするな」と言ったもの、客の社会通念を持ち出してくる人もいる。差別ではないというものも。しかし、嫌なものは嫌だ、大変だと言って何が悪い。活動する女性の議員、弁護士、活動家の人たちに物が勝手に注文され送り届けられたり、ツイッターをはじめインターネット上で執拗に攻撃されたりする。一般の女性たちも提案をしたりすると、そのことが攻撃されたりする。『足をどかしてくれませんか。』の本の中にある女性作家の経験が描かれている。数カ月にわたり、ネット上で殺害予告とも取れるような脅迫を受け、予定していたイベントや講演に登壇できなくなった。だが、こうした脅迫には屈しないという姿勢を自分のInstagramで明らかにし、大きな反響を呼んだ。九割は共感だったが、あなたにも責任があるという意見もあったそうだ。原稿に自分の写真を添えたことを批判する声もあったという。その女性作家の言葉が引用されている。「被害者が自主性を持って強くあることに、拒否反応があるんでしょう。被害女性がサバイブの体験を語るとき、その人らしく振る舞うことに嫌悪感を抱く人は、自分の中のどういう劣情がそうさせているかを、考えた方がいいですね。」ハラスメントや暴力がどうして起きるのかといえば、それは被害者側の問題ではなく、加害者側の問題である。しかし、日本では被害者が孤立し、悩み、肩身の狭い思いをし、恐怖を抱き、場合によっては発言できなくなっていっている。差別の再生産である。多くの女性はバッシングや反論を受けたら萎縮してしまう。声を上げること、そして、そのことを支えていくことをやっていきたい。『足をどかしてくれませんか。』は女性たちの連帯とこれからの取り組みも模索するすばらしい本である。

「伊藤詩織さんと山口敬之」伊藤詩織さん・山口敬之さん事件というのを知っている人はどの程度いるでしょうか?知らない方が多いと思うので説明しておきます。

伊藤詩織さん事件、もう一つの“ブラックボックス”とは?

伊藤詩織(いとう・しおり、左)/1989年生まれ。主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信。著書『Black Box』(文藝春秋)が第7回自由報道協会賞大賞を受賞。2020年9月、米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた...

判決によると、伊藤さんは山口氏に就職の相談を持ちかけたことをきっかけに2015年4月、東京都内の飲食店で飲酒。その後、ホテルに入った。

──森氏の「わきまえている」という発言も批判を浴びました。

先週水曜日、ある手記が出版されました。タイトルは「Black Box」。元TBS記者の山口敬之氏から暴行被害を受けたことを告発したジャーナリストの伊藤詩織さんが性暴力などの犯罪に甘い日本の現状を255ページのノンフィクションとして描いています。この手記の中で詩織さんが伝えたいことは何なのか?今夜はジャーナリストの伊藤詩織さんご本人にお話を伺います。

元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏(51)からのレイプ被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が6日、国会内で開かれた国会議員の会合に出席した。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長だった森喜朗氏が、女性蔑視発言をきっかけに辞任した。これによって日本の女性差別問題に変化は生まれるのか。AERA 2021年3月1日号では、ジャーナリストの伊藤詩織さんと俳優・アクティビストの石川優実さんが語り合った。

この回には上述の、伊藤詩織さんもゲスト出演していました。

伊藤さん、杉田議員を提訴 中傷ツイートに「いいね」8月20日性暴力被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織さん(31)は20日、自身を誹謗中傷するツイッターに、自民党の杉田水脈衆院議員が賛同を示す「いいね」を押したことで名誉を傷つけられたとして、杉田氏に220万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。原告側によると「いいね」を押すことが名誉侵害に当たるかどうかが争点となる訴訟は珍しいという。訴状によると、杉田氏は2018年6~7月、英BBCの番組やツイッ伊藤さん、杉田議員を提訴 中傷ツイートに「いいね」

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