中学受験直前、親が子にかけるべき「天使のささやき」とは? コロナ禍でより重要になる“送り出し”〈AERA〉(AERA dot.)

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中学受験直前、親が子にかけるべき「天使のささやき」とは? コロナ禍でより重要になる“送り出し”〈AERA〉(AERA dot.)
[MARKOVE] 中学受験の本番、子どもが実力を発揮するために親はどんな声をかけたらいいのか。AERA 2021年2月1日号で、専門家に聞いた。[/MARKOVE]
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中学受験直前 親が子にかけるべき 天使のささやき

子どもが通っている塾に不満があったり、ほかに良い塾を見つけたりすると、入試の直前でも学習環境を変えたくなりがちです。また、子どもが自信をつけてくると親が「もう塾は必要ない」と考えることもあります。しかし、突然学習環境を変えるのは子どもに悪影響を与えます。なぜなら、入試が近づくと塾は過去問や苦手克服の集中コースを通して、総仕上げに入っていくからです。こうした入試対策を受けると受けないでは、本番への心構えが変わってきます。また、慣れ親しんだ先生や塾の友達が子どもの力になることもあるので、塾を変えることは子どもと慎重に決めていきましょう。

子どもが志望校に受かることが理想の展開ではあります。しかし、「合格以外考えられない」というモットーだと、もしも受験に失敗したときに打つ手がなくなってしまいます。子どもは受験に集中させつつ、親は「失敗したときにどうするか」という対策も立てておきましょう。普段から子どもに「受験が人生のすべてではない」「受験勉強そのものが大きな財産になる」と言い聞かせておけば、失敗したとしても子どものショックは和らげることができます。また、過剰なプレッシャーを感じずに入試当日を迎えられるでしょう。そのほか、失敗の可能性を親が胸に留めておくと、志望校に入れず子どもが落ち込んでいるとき、すぐさま立ち直ってフォローにあたれます。

大前提として、受験に失敗することは恥ではありません。これからの人生で挽回することは十分に可能です。親が普段どおりに子どもへと接すれば、子どもも徐々に自信を回復させていきます。そのためにも、親が失敗を引きずらないようにしましょう。親が暗い顔をしていると子どもは罪悪感を覚え、いつまでも立ち直れなくなるからです。

こうした親からの言葉かけをたなかさんは「天使のささやき」と呼ぶ。安心できる言葉が一つでも脳に残っていると、緊張で頭が真っ白になったときにもふっとその言葉が脳裏に現れ、平常心を取り戻しやすくなるというのだ。

中学受験に失敗する可能性を考えておくのが必要な理由とは?

中学受験のために「詰め込み教育」を実施している塾も少なくありません。こうした塾で、高い合格率を誇っているところがあるのも事実です。しかし、丸暗記中心の勉強をしていても、真の意味で子どもの学力は伸びていません。思考力を試される問題や応用問題ではつまずいてしまうでしょう。また、受験が終わってもまだ子どもの勉強は続いていきます。受験対策しか行っていない塾だと、入学後の勉強方法を教えてくれない場合があるでしょう。理想的な塾は、生徒にも発言をさせ、考える力を養ってくれるところです。基礎的な思考力が身につくと、受験以外でも役立てられる場面が出てきます。子どもがやる気を見せているのであれば、受験後も見据えて塾を探しましょう。

…ごあいさつ…はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。

「最後に聞いた言葉が天使のささやきになるように、送り出してください」

親がよかれと思って言った激励が、子どもを傷つけることもあります。「テストの点数が悪いからもっと頑張れ」といったフレーズは特に、子どもを否定してやる気を削ぐでしょう。「できない」「悪い」などのネガティブな言葉は子どもの自信を奪ううえ、親子関係も険悪にしてしまう。受験では子どもの悪い部分ではなく良い部分を見つけて、「ほめて伸ばす」ことを意識しましょう。「よく頑張ったね。その調子」などの前向きな言葉が子どもに力を与えます。

春野 陽子さんプロフィール長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。

中学受験を成功させるために親御さんが出来ることとは?

前の章で受験で落ちてしまった時の子どもへの接し方を説明しましたが、ここからは親がどのように切り替えていけばいいのかを解説していきます。まず考えるの現状です。受験に落ちてしまった以上子どもは受かった滑り止めの学校か公立中学に通うことになります。こうなると受験をしていない子と同じ環境にいることになり、今までの努力が水の泡になったような気がしてしまいますがそんなことは決してありません。中学受験のためにしてきた勉強は中学の内容も一部含んでいますし、何より思考力など根本的な能力は今後の勉強での大きなアドバンテージになります。子どもは小さいうちの方が成長が早いため中学から頑張ろうとしてもなかなか思考力などは鍛えるのが難しい場合が多いです。そのため、中学受験の勉強は決して無駄にはならないということを改めて確認しておきましょう。

現状を理解したら次に考えるべきはこれからの目標です。もちろん直近のことを考えれば中学の勉強についていき、テストでいい点をとることでしょう。中学受験ではあまり内申をみる学校はありませんが高校では多くの学校で内申が重要になってきます。そのため、テストでしっかり点を取るのは大切でしょう。しかし、中学受験の勉強をしっかりとしてきていればこれはそこまで難しい事ではないでしょう。そのため大きな目標は多くの場合で高校受験になってくると思います。

中学受験の会場。例年ならば校門前にずらりと並ぶ各塾の講師たちだが、今年はコロナ禍の影響でその姿は見られない。静かに待ち構える門に吸い込まれるように入る子どもたちにエールを送るのは、親たちだ。

よく勘違いしてしまいがちなものの一つとして勉強を続けていれば偏差値が伸びると思っている子どもや親がいます。しかし、これは大きな間違いです。そもそも偏差値とは周りの子どもと比べてどれくらい点が取れているかという値です。つまり、周りが自分以上に成長していれば偏差値は下がってしまうのです。例えば、よくある例として中学受験では多くの子が1日4時間勉強するという話を聞いてそれを実践していたとします。当然4時間勉強すれば勉強自体はできるようになり成長はします。しかし、周りの子どもも同じくらい勉強しているはずなので偏差値自体は伸びることはあまりありません。偏差値の仕組みを理解して必ず伸びるものではないということを理解しましょう。

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