巨人・原辰徳監督は「名将ではない」と評価ガタ落ち 梶谷・井納獲得にも懐疑論〈週刊朝日〉(AERA dot.)

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巨人・原辰徳監督は「名将ではない」と評価ガタ落ち 梶谷・井納獲得にも懐疑論〈週刊朝日〉(AERA dot.)
[MARKOVE] セ・リーグ連覇を飾ったにもかかわらず、巨人・原辰徳監督に強い逆風が吹いている。日本シリーズでソフトバンクに2年連続の4連敗。投打で圧倒され、シリーズ史上初の屈辱を味わった。[/MARKOVE]
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巨人ファン歴60年という内藤洋一さんは語気を強める

梶谷、井納が加わることで、押し出される選手が出てくる。梶谷は中堅、右翼が本職だが、中堅は丸佳浩、右翼は今季頭角を現した松原聖弥がいる。投手も井納が先発の1枠に入ることで、若手投手たちのチャンスは少なくなる。主力に生え抜きがズラリと並ぶソフトバンクは梶谷、井納に見向きもしていない。巨人は「球界の盟主」の座を奪い返せるだろうか。

ただ坂本の場合、キャリアの最初から現在までほとんど原氏が見ている。ルーキーイヤーの中日戦でタイムリーを放ち、2年目は遊撃手として見出される「奇跡」的な巡り合わせで、二岡智宏の不祥事もあり、それ以降はずっと巨人軍の中心選手として活躍している。

巨人の原辰徳監督は監督通算14年目で9度目のリーグ優勝となる。今季は通算勝利数で大先輩の川上哲治氏(1066勝)、長嶋茂雄氏(1034勝)を抜き去った。1087勝(同日現在)は歴代11位と押しも押されもせぬ名監督の域だ。ソフトバンクの工藤公康監督も就任6年目で3度目のリーグ優勝、過去5年で4度の日本一と堂々たる戦績を残している。

だが、本当の意味で「川上超え」を果たしたかと言うと疑問を呈する意見が多い。巨人ファン歴60年という内藤洋一さんは語気を強める。

プロ野球ペナントレースはソフトバンクが3年ぶりのリーグ優勝を決め、巨人も10月28日現在で2連覇を目前にしている。新型コロナウイルスで大幅に開幕が遅れ、試合数の減少に過密スケジュールと異例のシーズンとなったが、セ・パともに本命は強かった。

プロ野球ペナントレースはソフトバンクが3年ぶりのリーグ優勝を決め、巨人も10月28日現在で2連覇を目前にしている。新型コロナウイルスで大幅に開幕が遅れ、試合数の減少に過密スケジュールと異例のシーズンとなったが、セ・パともに本命は強かった。巨人の原辰徳監督は監督通算14年目で9度目のリーグ優勝となる。今季は通算勝利数で大先輩の川上哲治氏(1066勝)、長嶋茂雄氏(1034勝)を抜き去った。1087勝(同日現在)は歴代11位と押しも押されもせぬ名監督の域だ。ソフトバンクの工藤公康監督も就任6年目で3度目のリーグ優勝、過去5年で4度の日本一と堂々たる戦績を残している。川上哲治元監督を抜いて球団歴代最多勝利を挙げた巨人・原監督=共同チーム成績をそのまま監督の力量とみなすことに疑問を抱くファンは少なくないだろう。確かに万年最下位のチームをAクラス入りさせるのは、戦力豊富なチームを優勝に導く以上に難しそうにみえる。巨人やソフトバンクのような強豪になると「あれだけの戦力があれば、誰が監督をやっても勝てる」といったやっかみまがいの声は根強い。では統計データに基づいて、監督の力量を測定することはできるだろうか。現代野球のセオリーに「ピタゴラス勝率」というのがある。一定の公式を使い、チームの得点と失点から理論値としての勝率を導き出す。実際の成績がピタゴラス勝率を上回っていればそのチームは地力以上に効率よく勝利を拾い、下回っていれば勝てる試合を取りこぼしていると考えられる。■一定しない理論値と現実の乖離今季、理論値を上回る戦いぶりを見せているのが中日、ロッテ、西武といったチームだ。いずれも失点が得点を大きく上回り、借金生活が妥当な状況にもかかわらず、貯金をつくっている。これは大差で負け、接戦を拾う試合が多かったことを意味している。ではこうした「効率のいい戦い方」は監督の手腕とみなせるだろうか。データ分析の観点からは、この評価には無理がある。なぜかというと、理論値と現実の乖離(かいり)の仕方に一貫性がないからだ。中日の場合、昨季は得失点差が19点のプラス。ピタゴラス勝率に照らすと貯金5が妥当だったにもかかわらず、実際は借金5に終わった。ロッテも貯金5が妥当だったが、現実は借金1だった。両軍とも監督は変わっていない。昨年の経験を生かして采配の腕を上げたのだという仮説を立てることは可能だ。西武の辻発彦監督は2018年がプラス6、19年がプラス4と毎年うまくチームを回している。しかし過去の膨大な例に基づけば、理論値と現実の乖離を監督の手腕とみなすのはやはり難しい。例えば原監督や日本ハムの栗山英樹監督ら長年指揮を執っている監督でも、理論値と現実の乖離はシーズンによってプラスとマイナスがランダムに入り乱れている。「監督の力量」が安定して発揮される資質であるのなら、こんなことはあり得ない。画像の拡大よく「大差で負けて僅差で勝つのが強いチーム」といわれるが、1シーズンを通じてそこまで都合良く得失点をコントロールし続けることは現実的ではない。今季の中日やロッテが健闘しているのは間違いないが、巡り合わせや運も多分に絡むベンチワークを「効率的な采配」とみなすことは野球の本質を見間違えるリスクをはらむ。ロッテは首位とゲーム差なしに迫った10月9日時点で13あった貯金が28日時点で4まで減った。コロナ禍による大量離脱があったとはいえ、この失速は「理論値への回帰」とも解釈できるのだ。実際、試合中の監督の采配で勝利を上積みするのは至難の業だ。米国のデータ分析書「BASEBALL BETWEEN the NUMBERS」は大リーグで1972~2004年に送りバント、盗塁、敬遠といった監督の決断がどれほどの得点価値を生んだかを分析している。驚くなかれ。30年を超える長期間のうち、こうした戦術がシーズンでプラスの価値をもたらしたのは6度しかなく、しかもその価値は最大でも0.63勝分(83年パドレス)にすぎない。反対に、ワーストを記録した87年のジャイアンツは5.92勝分の得点価値を失った。5年以上指揮を執った監督に限ると、采配により通算でプラスの価値をもたらした例は皆無だった。ここから導き出される結論はひとつしかない。「動かざること山のごとし」。つまり策を用いるべき根拠が確固たるものでない限り、動かぬ方が得策ということになる。■減少する犠打、盗塁企図、敬遠統計に基づいてアウトや進塁、出塁の価値が数値化されるようになった現代野球ではこうした認識が一般的になっている。大リーグでは90年代前半に年間1500を超えていた犠打が2019年は776に、5000に迫っていた盗塁企図数が19年は3110まで減った。1300前後で推移していた敬遠も半分近く減っている。一方、90年に69%だった盗塁成功率が19年は73%に上昇している。監督がサインを出すときは、確実性をより重視するようになったのだ。似たような潮流の変化は日本でもみられる。2番に強打者を置き、犠打を減らすトレンドもその一環と考えられる。前掲書では打順の組み方のほか、代打やリリーフ投手の起用法と結果など様々な角度から監督の力量を測ろうと試みている。しかし、シーズンをまたいでも安定して発揮される資質を見つけるには至らなかった。残念ながら、監督の力量を数値化するための分析手法はいまも見つかっていないのだ。プロ野球の監督は素人の居酒屋談議でも批判の対象となるほど「誰にでもできそうにみえる商売」だ。しかしサインを出す機会が減り、その能力が数値で評価できないからといって、誰でも務まるかといえば、もちろんそんなことはない。むしろ現代野球の監督には、かつてないほどマルチな能力が求められている。3年ぶりのリーグ優勝を飾ったソフトバンク・工藤監督(中央)。チームの潤滑油になることも監督の役割だ=共同データ分析の進歩などにより、球団には選手OB以外にも様々なバックグラウンドの人材が集うようになった。彼らはデータを基にグラウンドレベルでの戦略や戦術にも介入してくる。中には従来の野球の常識と違うものもあり、コーチや選手の反発を生む。こんな時、監督はフロントと現場の橋渡しをしながら、選手のモチベーションを維持する「組織の潤滑油」としての役割を果たせなければならない。データの読解力、コミュニケーション力の両方が求められ、選手時代の名声やカリスマ性だけでは務まらなくなっている。2軍で経験を積んでから1軍へというキャリアパスが増えているのも、現在の監督業が付け焼き刃では務まらない証左といえる。■チーム編成に発言権を持つべし試合中の采配で大きな差をつけられない中で強いチームをつくるには、チーム編成についての発言権を持つことも大切な要素だ。原監督はドラフトやトレードなどについても強い権限を持っていると思われる。これは長年、勝利を積み重ねることによって獲得した権利だろう。コーチの人選を含め、歴代の名監督は程度の差こそあれ、編成への発言権を持っていた。今季の巨人やソフトバンクはピラゴラス勝率通りの成績でペナントレースを駆け抜け、順当に勝った。本当に強いチームとは「大差で負けて僅差で勝てるチーム」ではなく、「大差でも僅差でも勝てるチーム」だ。そのための道筋は得点を最大化し、失点を最小化する陣容を整える以外にない。球団の資金力には差があることは確かだが、同じような資金力の球団の成績がすべて似通っているわけではない。グラウンドの内外で知恵を絞り、勝つことによって自らの権限を拡大し、必要なカネをフロントに出させる。「誰が監督でも勝てる」とやっかまれるようなチームをつくれる指揮官こそが「名将」なのである。岡田友輔(おかだ・ゆうすけ) 千葉県出身。大学卒業後、民放野球中継のデータスタッフやスポーツデータ配信会社勤務を経て2011年に独立。株式会社DELTAを立ち上げ、野球のデータ分析やプロ球団へのコンサルティングなどを手がける。オンラインで野球分析講座を開講中。

今季の巨人やソフトバンクはピラゴラス勝率通りの成績でペナントレースを駆け抜け、順当に勝った。本当に強いチームとは「大差で負けて僅差で勝てるチーム」ではなく、「大差でも僅差でも勝てるチーム」だ。そのための道筋は得点を最大化し、失点を最小化する陣容を整える以外にない。

セ・リーグ連覇を飾ったにもかかわらず、巨人・原辰徳監督に強い逆風が吹いている。日本シリーズでソフトバンクに2年連続の4連敗。投打で圧倒され、シリーズ史上初の屈辱を味わった。

原監督は長らく巨人の監督として活躍されていますが、その活躍の裏には原監督が選手を「信頼すること」が大きく関わっているということです。

プロ野球の読売巨人軍が今オフ、巨大補強を完了させた。FA宣言した大竹寛投手(前広島)と片岡易之内野手(前西武)、さらに中日から自由契約となった井端弘和内野手も獲得。より盤石となった戦力で2014年シーズンの日本一奪回を目指す構えだ。

長い巨人の歴史を振り返ってみても、これだけの経歴を誇る人物はそういない。一概に比較はできないが、単純に成績面だけ見れば前人未踏のV9を達成した川上哲治氏(故人)に次ぐ功績を残していると言ってもいいだろう。王貞治氏(現ソフトバンク球団会長、巨人軍OB会長)や長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)の巨人監督時代の成績をはるかにしのぎ、指揮官としては事実上の“2トップ越え”を果たしているにも関わらず、毒舌の巨人OBたちからは「ONに比べれば原なんて求心力もなく、まだまだヒヨっ子」という指摘が絶えない。

「92年に王者・西武とやることになって、4勝0敗だけは嫌だなと思っていました。強いと思いますが、初戦で勝って、チームの中は『よし!一個、勝った』という気持ちになりました。この2年、巨人は8試合でその『よし!』というのがない。僕らは1勝できたことが大きかった。その年は3勝4敗で日本一になれませんでしたが、自信がつきました。その後のリーグ優勝した年は全て日本一になれましたからね。だから、『ホークスがすごい強い!』で終わってはいけません。8連敗で収穫はあるのか、と問われるならば、日本シリーズでこういう経験できたこと、ですかね」

チーム成績をそのまま監督の力量とみなすことに疑問を抱くファンは少なくないだろう。確かに万年最下位のチームをAクラス入りさせるのは、戦力豊富なチームを優勝に導く以上に難しそうにみえる。巨人やソフトバンクのような強豪になると「あれだけの戦力があれば、誰が監督をやっても勝てる」といったやっかみまがいの声は根強い。では統計データに基づいて、監督の力量を測定することはできるだろうか。

世の中には「アンチ巨人」のファンも多いので、巨人が一挙一動ごとに揚げ足を取られてしまうのは仕方がない。これは今も昔も変わらず、人気球団ゆえの宿命だ。しかし、現在の巨人で1つだけ不思議な点がある。原監督が世間から「名将」として認知されないことだ。

どういうわけか球界内にも古参の有識者を中心に「原監督には何となく頼りない面がある」というムードが漂っており、それがいまだ払拭(ふっしょく)できていないのだ。最近でこそようやく能力を認めて評価するようにもなってきたが、身内の渡辺恒雄球団会長も原監督が「名将」と呼ばれることに首をかしげている1人。これまで何かと原監督の采配にケチを付けたり、次期巨人監督の名前をチラつかせたりしていたのは記憶に新しいだろう。

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