米バイデン政権誕生で金正恩が核・ミサイル「暴発」の危機〈週刊朝日〉(AERA dot.)

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米バイデン政権誕生で金正恩が核・ミサイル「暴発」の危機〈週刊朝日〉(AERA dot.)
[MARKOVE] 2021年1月に米大統領に就任するバイデン氏。気になるのは、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との関係だ。コリア・レポート編集長の辺真一氏はこう懸念を示す。

「21年3月には米韓合同軍事演習がある。規[/MARKOVE]

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米バイデン政権誕生で金正恩が核 ミサイル 暴発

米CNNテレビは5日、米専門家らが衛星写真を分析した結果として、北朝鮮が北部のミサイル基地を拡張し、新たな拠点を構築しているとみられると伝えた。核弾頭を搭載して米本土を攻撃できるICBM(大陸間弾道ミサイル)の拠点となる恐れもあるとしている。ドナルド・トランプ米大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による6月の米朝首脳会談の合意が、事実上破られたのか。

世界全体を襲う激震のマグニチュードに幻惑されてか、朝鮮半島の情勢は不気味に静かに映る。他方、北朝鮮の核・ミサイル計画は引き続き進められているであろうし、金正恩の強権的な指導体制に変化はないはずだ。北朝鮮は、コロナ禍に際して中朝国境を厳格に管理して、感染防止策を徹底しているように見える。その反面、北朝鮮国民の栄養事情を考えれば、ウィルスに対する抗性が強いとは思えず、惨禍が起きていたとしても不思議ではない。そもそも北朝鮮国内の情勢は極めて不透明であり、測り知ることは不可能に近い。とはいえ、北朝鮮も他国と同様この地殻変動的な変化に翻弄されていると考えるのは妥当だ。だとすれば、近い将来に朝鮮半島の情勢が大きく変化する可能性を否定することはできない。

バイデン氏は10月22日開催の大統領選最終討論会で、「トランプが悪党のお友達と仲良くしている間に高性能なミサイルを手に入れてしまった」「(金正恩委員長と会談する条件として)核能力の縮小に同意することだ。朝鮮半島を非核地帯にすべきだ」と述べた。

選択肢は、(1)北朝鮮への石油タンカーの全面入港禁止(2)中露以外の国の石油輸出禁止(3)中露は核実験とミサイル実験のたびに石油供給を減らす(4)世界の船舶の北朝鮮入港禁止(5)北朝鮮との貿易の全面禁止(6)北朝鮮の国連傘下機関からの除名(7)北朝鮮の国連加盟資格停止(8)国連からの除名-など本格的な制裁はなお多く残されている。

核問題専門家ジェフリー・ルイス氏らの分析によると、米情報機関がすでに確認していた基地から約11キロ離れた谷間で建設作業が行われていた。新たな基地か、既存の基地に付随する施設かは不明。ミサイルの貯蔵が可能な地下トンネルと5カ所の入り口が設けられ、土や樹木を使って外部から見えにくくする作業も施されている。

「まずは、1月の第8回朝鮮労働党大会で、『並進政策』(核建設と経済建設)の方針を完全に復活させることを宣言。バイデン新政権を振り向かせるためにも、新たなICBM(大陸間弾道ミサイル)実験など、危険な手段に打って出るだろう。

北朝鮮は、核弾頭と米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)が完成するまで、核とミサイル実験をやめない。3日の「水爆実験成功」発表はその意思表示だ。米国のトランプ大統領は、軍事攻撃か核容認かの選択を迫られる。

バイデン政権は、事実上の核保有国である北朝鮮に対し、好むと好まざるとにかかわらず、そして、遅かれ早かれ、経済制裁緩和を材料に軍縮交渉を開始せざるを得なくなるだろう。なぜなら、バイデン政権が北との交渉に臨む姿勢を見せなければ、北は2009年のオバマ政権や2017年のトランプ政権の発足時のように、核実験やミサイル実験を強行する可能性があるからだ。

建設作業は昨年始まり現在も継続中。米朝首脳会談で正恩氏が非核化に合意した後も続いており、ルイス氏は「正恩氏が何と言おうと、北朝鮮は核ミサイルの製造と配備を続けている」と指摘した。

米国は、北朝鮮が韓国に報復攻撃しにくい口実と攻撃目標を設定するはずだ。軍事オプションには、在韓米軍兵士の家族や米民間人の韓国からの退去が不可欠だ。報復攻撃による米国民の犠牲を恐れるからである。軍事攻撃がない限り、北朝鮮の核とミサイル実験は続く。

中国もG20開催時の北朝鮮ミサイル発射は面子を潰すもので怒りがあっただろう。しかしこれまでにも北朝鮮への非難声明は出されており効果は疑わしい。制裁決議がされても状況は改善されていない。これまで中国やロシアは北朝鮮への制裁決議には積極的とは言えなかった。

経済制裁と自然災害、コロナ禍の三重苦にある北朝鮮は、核ミサイル実験で地域の平和と安定をあえて乱して、日韓を中心に周辺国をびびらせ、「平和を望むならば交渉せよ」と外交交渉の主導権を握ろうとするだろう。

中国はなぜ北朝鮮への石油禁輸に反対したのか。石油を全面禁輸すれば北朝鮮の軍隊は崩壊する。戦車は動かないし、戦闘機も飛べない。軍の崩壊はすなわち北朝鮮の体制崩壊を意味する。それを望んでいないから、石油禁輸に反対してきたわけである。だが、米国に届く核弾頭とミサイルが完成すれば、トランプ大統領は北朝鮮を軍事攻撃するかもしれない。そうなれば、北朝鮮が崩壊し朝鮮半島は統一され、中国の東アジアへの影響力は失われる。

トランプ大統領は就任直後、金正恩委員長と激しく対立するかのように見えたが、史上初めて朝米首脳会談を開いた。しかし、北朝鮮の核交渉はハノイでの2回目の朝米会談が物別れに終わって以来、約2年間足踏み状態だった。北朝鮮は今年10月、労働党創党75周年に世界最長の「怪物大陸間弾道ミサイル」を披露した。結果的にトランプ大統領も北朝鮮の核・ミサイル開発のための時間稼ぎに協力したわけだ。米軍事報告書では、北朝鮮が今年末までに核弾頭100個を生産できると明らかにした。

北朝鮮は中国でG20が開催されている最中の9月5日に弾道ミサイルを発射した。国連安保理は6日、北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難する報道機関向け声明を発表した。安保理が北朝鮮をミサイル発射で強く非難したことは一定の評価はできる。

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