バイデン氏は 最弱の米大統領
【ウィルミントン時事】「国民を分断するのではなく、団結させる大統領になることを誓う」―。米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領の7日夜の勝利演説。バイデン氏はコロナ禍に直面する国をまとめ、米国を立て直す決意を語った。
バイデン氏はロシア政府を公に批判しているほか、最近ではアメリカ最大の敵だと発言している。
バイデン氏は死者が世界最悪の23万人を超えた新型コロナの感染拡大防止と、経済の立て直しが喫緊の課題となる。9日には新型コロナ対策の専門家チームを設置するなど、政権移行に向けた準備を進める。
【ワシントン田中伸幸】米大統領選は7日(日本時間8日)、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)が勝利を確実にした。米主要メディアが当選に必要な選挙人の過半数を確保したと報じた。バイデン氏は同日、演説で勝利宣言し「分断ではなく融和を目指す大統領になることを誓う」と強調。8日は新政権発足に向けた準備を進めた。共和党のドナルド・トランプ大統領(74)は声明で「選挙は終わっていない」と表明。敗北を認めず、9日から法廷闘争を加速させる意向を示した。
【ワシントン共同】バイデン次期米大統領(民主党)は14日、11月3日の大統領選を受けて全米50州と首都ワシントンで選ばれた大統領選挙人による投票で新大統領に正式に選出されることが決まり、勝利が確定した。トランプ大統領(共和党)が敗北を受け入れないことから、通常は形式的な手続きの選挙人投票が注目を集めた。結果を覆す策がほぼ尽きたトランプ氏の対応が焦点となる。バイデン氏は14日夜(日本時間15日午前)、東部デラウェア州ウィルミントンで国民向けに演説する。「団結し、癒やす時だ」とトランプ氏の分断政治からの転換を訴え、ワクチン接種促進を訴える方針。
東部デラウェア州での勝利演説に臨んだバイデン氏は「国民は明白な勝利をもたらした」と勝利宣言。同時に、全米での総得票数が7400万票を超えたものの、トランプ氏の得票も7千万票を上回って共に史上最多となり、世論が大きく二分された結果を踏まえ「(対立の)熱を冷まし、互いの主張に耳を傾けよう。今こそ米国を癒やす時だ」と呼び掛けるなど、結束の必要性を繰り返し訴えた。
バイデン氏は結果の確定を受け、来年1月20日に史上最高齢の78歳で第46代大統領に就任。副大統領には女性、黒人、アジア系として初となるカマラ・ハリス上院議員(56)が就く。
米メディアによると、バイデン氏は前回大統領選でトランプ氏が勝利したラストベルト(さびた工業地帯)のペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州を奪還するなど、勝利に必要な選挙人(計538人)獲得数が279人となり過半数に達した。トランプ氏は214人。一部の州では勝敗が決していない。
今月3日に行われたアメリカ大統領選挙で、主要メディアの当選確実の報道を受けて勝利を宣言したバイデン氏は20日、78歳の誕生日を迎えました。これまでの最高齢のアメリカ大統領は、1989年に77歳で退任したレーガン氏でしたが、バイデン氏が来年1月に就任すれば、アメリカ史上最高齢の大統領になります。バイデン氏や陣営は、健康状態に異常はなく、大統領の職務を行う上で問題はないとしています。ただ、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は18日付けの社説で、バイデン氏の現在の話し方について、過去に比べて力強さに欠け、「ためらいがちに見え、近くにある言葉をつかもうとしているかのようだ」と伝えています。またAP通信は「年齢は数字に過ぎず、大統領の仕事に向いていると国民に示すことに挑戦することになる」と指摘するなど、バイデン氏の就任前から年齢や健康状態にも関心が集まっています。一方、選挙をめぐりトランプ大統領が依然として争う姿勢を崩さないなか、バイデン氏は20日、新政権の発足に向け、ホワイトハウス高官の4つのポストに陣営の幹部らを起用することを発表するなど、政権移行に向けた準備を進めています。
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