淡々と写しとられた土石流に襲われた町の記録 写真家・高井博〈dot.〉(AERA dot.)

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淡々と写しとられた土石流に襲われた町の記録 写真家・高井博〈dot.〉(AERA dot.)
[MARKOVE]写真家・高井博さんの作品展「じゃぬけ」が12月1日から東京・新宿のニコンプラザ東京 ニコンサロンで開催される。高井さんに聞いた。[/MARKOVE]
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淡と写しとられた土石流に襲われた町の記録 写真家 高井博dot

作品は「まんじりともしない夜が明ける」とある写真から始まる。

降雨量414ミリで大納言小豆が壊滅(撮影:高井博)写真家・高井博さんの作品展「じゃぬけ」が12月1日から東京・新宿のニコンプラザ東京 ニコンサロンで開催される。高井さんに聞いた。

「この大納言小豆はとなりの家の畑。全部やられましたね。倒れた稲は私が耕作していた田んぼです。嫁さんと二人で稲を干した写真もあるけれど、そういう『お涙ちょうだいみたいな写真』はいらんぺいや、と思って、外しました」

それがモノクロの正方形のフォーマットと相まって、静寂な美しさを感じさせ、目が引きつけられる。そんな危うい美しさを感じてしまう自分に戸惑い、写真を凝視してしまう。そんな感じだ。

2020/4/9(撮影:小澤太一)写真家・小澤太一さんの作品展「いつものいえ」が12月1日から東京・日本橋小伝馬町のRoonee 247 Fine Artsで開催される。小澤さんに聞いた。

小澤さんが恐れたのは世間の重々しい空気に感染することだった。「けっこう長期戦になるかも」という雰囲気のなか、小澤さんは写真を撮ることで自分自身や家族を守るバリアを張ったのだと思った。

【写真】作品の続きはこちら「じゃぬけ(蛇抜け)」というのは、大雨によって山の斜面が一気に崩壊し、流れ下る土石流のこと。昔は大蛇のしわざとされ、こう呼ばれてきた(地方によっては「蛇崩」「蛇喰」とも)。

同じ時間を過ごすなら、ふさぎ込んでいるよりも写真を撮ったほうが前向きだ。被写体は目の前にあるわけし、それを撮って、発信していこうと思った。前へ12次へ1/2ページ【関連記事】写真家・川内倫子が「子どもという自然」を写した特別な3年間500gで生まれた息子は「生きよう」と、もがいた……256日間の記録〈dot.〉写真家・徳永克彦 知られざる航空自衛隊テストパイロットの実像を写した貴重な一冊映画「浅田家!」の原案『アルバムのチカラ』再び写真家・山岸伸が挑む肖像写真の新境地「女性の肌と刺青」最終更新:11/29(日) 19:00AERA dot.

雨雲の列が次々に発生し、滝の中にいるような状態がずっと続いた。高井さんの家の床下にも水が流れ込み、となりの農作業小屋は完全に浸水した。

雨が降り始めたのはお盆直後の2014年8月16日だった。最初は「そんなに強くならないだろうと思ってね」と、高井さんは言う。

仕事がなくなった「おとーたん」と、休園になった保育園の娘との日々 写真家・小澤太一〈dot.〉11/29(日) 19:00配信02020/4/9(撮影:小澤太一)写真家・小澤太一さんの作品展「いつものいえ」が12月1日から東京・日本橋小伝馬町のRoonee 247 Fine Artsで開催される。小澤さんに聞いた。

作品の舞台となったのは高井さんの自宅のある兵庫県丹波市市島町。京都府に接するこの町は「平成26年8月豪雨」によって引き起こされた土石流で甚大な被害を受けた。写真はその復興の歩みを淡々と追った記録である。

「この大納言小豆はとなりの家の畑。全部やられましたね。倒れた稲は私が耕作していた田んぼです。嫁さんと二人で稲を干した写真もあるけれど、そういう『お涙ちょうだいみたいな写真』はいらんぺいや、と思って、外しました」前へ12次へ1/2ページ【関連記事】映画「浅田家!」の原案『アルバムのチカラ』再び写真家・山岸伸が挑む肖像写真の新境地「女性の肌と刺青」再評価の機運が高まる昭和の写真家・新山清の作品展写真家・水口博也 「遺書」として出版した写真集で訴えたかったこと銀座から消える写真の聖地「ニコンサロン」の過去と写真界のこれから〈dot.〉最終更新:11/30(月) 19:00AERA dot.

同じ時間を過ごすなら、ふさぎ込んでいるよりも写真を撮ったほうが前向きだ。被写体は目の前にあるわけし、それを撮って、発信していこうと思った。

【写真】作品の続きはこちら これまで小澤さんはほぼ毎日、一人娘の姿を保育園の送り迎えの際に撮影し、その作品を「いつものみち」というタイトルで昨年、発表した。

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