野生動物と猫と人 共生のために猫を保護する「小笠原ネコプロジェクト」(ねこのきもち WEB MAGAZINE)

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野生動物と猫と人 共生のために猫を保護する「小笠原ネコプロジェクト」(ねこのきもち WEB MAGAZINE)
[MARKOVE]小笠原諸島は、2011年にユネスコの世界自然遺産に登録されたのを知っていますか?  この美しい島々で人と野生動物、そして猫が共生するために行われている、あるプロジェクトを紹介します。※記事内容はすべて[/MARKOVE]
[紹介元] ねこのきもち WEB MAGAZINE – Yahoo!ニュース 野生動物と猫と人 共生のために猫を保護する「小笠原ネコプロジェクト」(ねこのきもち WEB MAGAZINE)

野生動物と猫と人 共生のために猫を保護する 小笠原ネコプロジェクト

ネコも夢中になって見るという、路地のネコを撮影したTV番組を見ていると、「道にネコがいるのはいいもんだな」と思う気持ちもある。しかし、小笠原にしかない自然を持つ島で、自然と共生しながら生きていきたいと思うのであれば、どちらを取るか? という問いに対して、小笠原は1つの答えを選ぼうとしているように思える。

最初に小笠原に人が移り住んだのは、1830年のことです。それまで、島にはネズミもネコもヤギもブタもいませんでした。しかし、その後、人に持ち込まれた、あるいは資材などにくっついてきた様々な生き物、つまり外来種が島々にやってきました。

こういった状況の中で、小笠原から持ち出したネコを引き取ってくれたのが東京都獣医師会に所属する獣医師さんたちでした。「鳥は小笠原でしか生きられないけど、ネコは都会でも幸せになれる。」という獣医師さんの言葉から、ネコも鳥も幸せになる、この絵本の捕獲プロジェクトが始まったのです。

ひばりタイムス > みどり-環境 > 希少種の鳥を襲う野生ネコ対策「小笠原ネコプロジェクト」

始まったノネコ対策これを皮切りに村役場でノネコの捕獲が始まりました。10年間で不妊去勢した数は約4百頭。しかし引き取り先がなく再び島で放されてきました。長寿命な動物だけに生涯、島の野生動物に脅威となり続けます。なんとかノネコを島外に出せないものか。私は役場担当者が保管するノネコ捕獲データを分析し、現状と見通しを役場に説明し、東京都獣医師会などに協力を要請しました。そして昨年、再放獣から島外持出しへ舵(かじ)を切る合意ができました。

活動開始から10年。いまでは400匹以上のネコが海を渡った。ネコはもともと小笠原にいなかった動物である。

世界自然遺産だからといって、地元の人が猫一匹飼えないような島にはしたくありません。私たちが目指すのは、人とペットと野生動物が共存できる社会。とくに高齢者や小さな子供たちがそうですが、動物を飼うことによって心が癒されるというのは万国共通です。私も、ゆくゆくは向こうへ移住して、島の獣医になるのが夢なんです。そのときは、わが家の元ノネコたちもいっしょに里帰りですよ(笑)。

小笠原は暖かいため、本州などでは家に住むクマネズミが、山中に高密度に生息しています。クマネズミも生態系を破壊する侵略的外来種で、小笠原のノラネコの一部は山中でこのクマネズミを主食にしながら生活していると考えられます。ネコはとても有能なハンターで、永年人間と生活してきていても、その性質は変わっていません。したがって、小笠原では容易に自然に分け入り、山の生物を獲って暮らすことが出来ます。当然、ネズミだけではなく、時には鳥も捕食します。この鳥たちは小笠原固有の鳥であることが多く、ネコはこれらの希少な鳥たちを絶滅させる大きな原因の1つとなっています。

Profileこまつ・やすし 1981年酪農学園大学酪農学部獣医学科卒。84年東京都稲城市に新ゆりがおか動物病院を開院。公益社団法人東京都獣医師会副会長を務め、同会の小笠原自然環境保護活動事業を主導する。2005年から自然保護団体や環境省、東京都などとの協働で、「ノネコの引っ越し作戦」を継続中。希少鳥類が復活するなど、目覚ましい成果をあげている。

小笠原諸島は、東京都心から約1000km南に点在する約30の島々で構成されている。人が住むのは父島(約2000人)、母島(約500人)の2島だけ。亜熱帯に位置し年間の平均気温が23度程度と温暖な気候。 陸続きになったことがない海洋島で独自の進化の過程が評価され2011年、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。

小笠原で鳥類の調査研究をしているNPO法人小笠原自然文化研究所がこの死体を調べたところ、死体の羽軸に残る歯形から犯人としてネコが疑われました。そこで自動撮影カメラを仕掛けたところ、このカメラに写っていたのがこの絵本の主人公「マイケル」だったのです。マイケルは、自分より大きなカツオドリをくわえていました。

ニックネーム感想前のレポートへレポート一覧次のレポートへエコナビゲーターからのご挨拶有川 美紀子 さんプロフィールいままで、いろんな島を訪ね歩いてきました。特に心の奥底で共鳴し合うような思いを感じた小笠原とは、もう30年近い付き合いに。

移住して1ヶ月半後の7月頭、母島の通称クラブハウスと呼ばれる施設が急ごしらえの動物診療所になった。(公社)東京都獣医師会の獣医師と動物看護師計10名以上の派遣団が、父島と母島でネコとイヌの健康診断、避妊去勢手術、マイクロチップ挿入をしてくれるのである。しかも無料で。さらに夜には獣医師と飼い主の懇親会も開催された。獣医師から最新のペット情報を聞いたり、自由に質問したりすることができたのだ。この事業は2017年に父島に動物対処室ができて獣医師が常駐するようになるまで8年間続いた。最初の2年は小笠原自然文化研究所が民間助成金を得て行い、飼い主たちからあがった事業存続の声を受けて、2010年からは小笠原村が予算を組んで行っていた。

「マイケル!」。小松泰史さんが呼ぶと、診察室の奥から一匹の雄ネコが現れた。人にゴロゴロと甘える姿から、絶海の孤島で野鳥を捕らえて生き延びていたノネコ(野生化したイエネコ)とはとても思えない。

小笠原の島々は今まで一度も大陸と繋がったことがない海洋島です。このような島には、植物も動物も、風か波に運ばれるか、羽があれば飛んでくるかしかたどり着く方法はありません。そのため、小笠原の生き物は独自の環境で進化し、世界でもここでしか見られない生き物(固有種)が多く存在します。その生態系は非常に偏っており人が連れて行ったネコが島で野生化することで島独自の生態系が崩れる危険が生じました。

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